めまいは、一般的に「めがまわること・目がくらむこと」と定義されています。
めまいは頭痛と同様、日常生活でも体験する事の多い症状です。
安静時や運動中に、自分自身の体と周囲の空間との相互関係や位置関係に乱れを感じ不快感を伴います。時には吐き気を催すこともあります。
めまいの種類
一般的に「めまい」とひと口に言っても、その状態は様々です。
めまいの状態や原因によって、以下のような種類に分けられています。
【めまいの代表的な種類】
回転性めまい |
天井がぐるぐる回るように感じるめまいです。自分が止まっていて、 周囲が回転しているように感じます。 |
浮動性めまい |
地面が揺れているように足もとがおぼつかない感じのめまいです。 小さな船に乗っているように感じ、立っているのが難しくなり、自分 の体が揺れているように感じるめまいです。 |
眼前暗黒感 |
目の前が暗くなるように感じるめまいです。クラッとくる立ちくらみが これに当たります。眼前暗黒感については本当にめまいに当たる かどうかは問題もあるのですが、これらも含めてメマイと呼んでい ます。 |
良性発作性 頭位めまい症 |
寝たとき、寝返りをうったとき等、頭の位置を変えるとめまいが生じ るものです。朝、起きようとして頭を動かした時などに起こります。 |
悪性発作性 頭位眩暈 |
頭位や体位の変化により激しい回転性めまいが起きますが、 あわてて元の位置に戻すとそのめまいは忽然と消えます。 良性発作性頭位めまい症と違う点として、内耳からおこる良性の ものは、くり返し同じ頭位をとるとメマイはだんだん軽くなります。 しかし、悪性のものは何度くり返しても同じようなめまいが起き、 その時間も長くつづきます。吐き気も強く激しい頭痛を伴うことも あります。 |
めまいの原因
めまいの原因として一般的に「三半規管」の異常があげられます。
病気や健康障害などにより内耳の三半規管や耳石器などの機能に狂いが生じ、アンバランスな感覚が脳に伝えられることでメマイを感じることがあります。
また人間の体は、目からの視覚情報、筋肉や関節等の知覚情報など様々な器官からの情報を受けてバランスを保っています。
そして、これらのうちの1つでも障害を持つことで全体の不調和がおこり、めまいの発症につながるとされています。
ですので、めまいの病理的な診断には内耳の問題以外にも注意が必要になります。
視覚や運動機能の異常、またそれらの情報を統括する脳の異常も含めて広範囲に異常をチェックする必要があるようです。
めまいの治療
めまい以外に吐き気を伴ったり、不安感が余計にメマイを悪化させる場合もあります。
薬は症状に応じて使い分けられており、内服が困難な場合には注射や点滴をします。
【めまいによく使用されるお薬】
抗めまい薬 循環改善薬 |
主に脳や内耳の血流を増やすことによって、めまいを改善します。脳や内耳に十分な血液が行き届かないと、からだのバランスを保つ働きに支障を来します。また、リンパの循環も悪くなるため内耳がむくみ、めまいが起こります。 |
吐き気止め |
めまいに伴う吐き気や嘔吐を抑えます。吐き気がひどくて内服が難しい場合は、注射や点滴をします。 |
抗不安薬 |
めまいに対する不安を取り除きます。めまいに対する不安な気持ちが、さらにめまいを悪化させるといった悪循環を解消します。 |
浸透圧利尿薬 |
内耳を満たす液体(内リンパ)の過剰による内耳のむくみを軽減します。通常、内リンパの量は一定に保たれています。しかし増え過ぎると内耳が正常に働かず、めまいや耳鳴り、難聴などの症状があらわれます。 |
ステロイド薬 |
神経の炎症やめまいに伴う難聴を改善します。ステロイド薬には炎症を鎮める、免疫を抑制するなどさまざまな作用があります。 |
ビタミン剤 |
神経の働きを正常に保つビタミン(ビタミンB12など)によって、障害を受けた神経を修復します。 |
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