メニエール病は150年以上も前に提唱された病気です。その主症状は「めまい」の存在を起点として、内耳の状態を推定し、判断されるものです。
ここからが問題で、実はメニエール病というものは「推定」が前提となっていて、「断定」された病態ではないということです。つまり、不確実な状況を集めて、「これこれ、このようである」というのが実際のところとなります。
でも今や、メニエール病という名前だけが一人歩きしてしまった感がありますよね。もうその情報は、メニエール病という病態が断定的に存在しているかのように伝え広められています。
でも、どんなに名前を広めようとも、未だ150年前の情報を基盤に、推定的な診断の中で判断されている、非常に曖昧な症状であることに違いはないのです。
症状というものは十人十色。いや、千人千色でもあります。
一人一人の感じ方には、その人にしかわからない感覚があります。
「強い過剰なメマイ」ひとつとっても、メマイだけでなく、耳鳴りや難聴・耳の閉塞感・肩こり・慢性疲労・不眠症など、色々な症状が複合的に発生していたりします。
名称を付けるということは、ある一定ラインを決めて、枠組みで分けるということでもあります。
最初、頻発する発作的で非常に強いメマイを、内耳の状態と照らして、それをメニエール病ということで一つの指針を作りました。
しかし実際のところ、症状としてはメマイのみならず、耳鳴りや難聴といった症状も併発することから、メニエール病の主な症状として、頻発する強いメマイに伴い、耳鳴り・難聴・耳閉感も副次的に発生するといこうとにしました。
とは言え、人間が抱える悩みは幅広く、その時代その時代に即した今まで通りではない症状の発生の仕方も、歴史的な流れからも色々な流行があります。
すると、メニエール病の枠組みだけでは説明が収まらない症状の人も沢山出てきます。
そこで編み出された新しい名称が「蝸牛型メニエール病」
これは、「メマイの伴わない耳鳴り症状を抱える人はこの枠組みで」という線引きがおこなわれました。そしてそれを、メニエール病の前身であるということにされました。そのまま放っておけば、本当のメニエール病になるよ、ということですね。
こうしてまた一つ、実態の掴めない「推定」によって観察されているだけの状態が、具体的な名称の力を得て存在を露わにすることとなりました。
一体こうした病名の生産、近年においては病名ばかりが量産されることによって、いったい誰が特をするのでしょうか。資本主義社会のもとでは、不明な状態のまま形を作ることによって、何かが利益を得ていることになっているのでしょう。
多くの患者さんは、推定的な病名に振り回されて、ただただ不安を握りしめ、診断処置の行き着く果ては「原因がわかりません」という対応によって、あちこちの医療サービスを利用することとなります。
この症状は何が問題で、何が引き金となっているのか。
それは名前で振り回されるのではなく、実際に症状以外のご自身の生活背景や生活習慣など、退治するべきは病気では無く、そうした背景にあるのではないかと思います。
目的を見誤ってしまうと、意味のわからない薬を延々と不安と共に飲み続ける羽目になってしまうことも怖い話しですよね。
耳鳴りも難聴も、実際の所は医学的にそのメカニズムは不明です。
内耳が浮腫むことによって果たして耳鳴りはどのような原理で音を出すようになるのかもわかっていません。
つまり、蝸牛を満たすリンパの状態と耳鳴りとを関連づける材料はまだ何も見つかっていません。それは、リンパが過度に溜まったからと言って本当に耳鳴りや耳閉感を起こすのかどうかも定かではないと言うことです。
最近の例で言うと、一昔前まで腰痛原因として、検査で確認される腰椎椎間板ヘルニアの存在が腰痛の原因とされていました。
それはレントゲンやMRIで見て取れる椎骨と椎骨の間の変異が「普通ではない」ように見えたからです。それが神経を圧迫しているように見えたからです。
「そう見えた」「そのような状況証拠が取れた」から、腰痛の原因は椎間板ヘルニアである。と、医学は一つの指針を立てたのです。
しかし、今となってはその根拠も正しくないものとなりました。
あなたが絶大な信頼を寄せている医学が、間違った情報で長年にわたり、多くの診断を下し、無駄な手術を繰り返していたことが今になって証明されてきました。
しかし、これまで民間人に植え付けてきた洗脳はそう簡単には解けません。
未だにヘルニア検査をして、それを原因として指摘している医師もいます。(日本が主です。海外は既にガイドラインも新しくなり、どんどん変わってきています)
蝸牛型メニエール病の話しに戻りますが、その時代によって常識や非常識が天と地にひっくり返ることがあります。今まではこれが正しいと思っていた事も、次の日には間違いでしたということがここ最近は特に多く見られるようになりました。
椎間板ヘルニアほどハッキリした状況証拠ですら「間違い」だったと変わるくらいです。
未だ推定的な診断にとどまっている内リンパ水腫という状態は、果たしてどこまでが真実で、どこまでが虚実なのか。それは自分自身の目で確かめ、自分自身で判断するしかないのかもしれません。
「先生が言うのだから」と、何の確信も持たずに信じてしまうことは、その先の変動に対しても誰にも何にも文句は言えません。信じた自分が悪かったと言うだけのことです。
耳鳴りに対しては、もう少し自然の流れにそった考え方で、本当の原因と問題点、そして解決する方向性を見出せます。そのような耳鳴り専門のサイトも構築致しましたので、耳鳴りでお悩みの方は以下のサイトもご参考下さい。
耳鳴り やすらぐ改善講座
・メニエール病 耳鼻科では治らない薬物の落とし穴とメニエール病の薬
・耳鳴りの原因 慢性的な耳鳴りが続く本当の原因について解説
・治療 治療しても一向に改善されないとき、新しい考え方によって変わる
・突発性難聴 メニエール病と同種の原因不明病。その現状と改善策
※具体的かつ、薬に頼らない自然体での耳鳴り克服に向けて、沢山の情報を掲載していますので、是非ご活用頂ければと思います。
蝸牛型メニエール病
一般的に蝸牛型メニエール病は以下のように考えられています。
【蝸牛型メニエール病の概要】
症状 |
メマイを伴わない聞こえのトラブル。
耳鳴り・難聴・耳閉感など。反復すると考えられる
聴覚補充現象(聴覚のリクルートメント現象)と言って、音が強く響く症状も蝸牛の問題と見られている |
病態と原因 |
メニエール病と同じく、内耳の内リンパ水腫と考えられている。 |
診断・検査 |
聴力検査をおこない、グリセロールテストという診断法にて内リンパ水腫の存在を推定する。あるいはイソバイドなどの利尿剤を服用させて、一時的な改善が見られるかどうかなどで判断しようという試みが一般的には多いようだ。 |
診断名 |
蝸牛型メニエール病とするよりも、同義である低音障害型感音難聴という診断名がつくことが多い。突発的な場合はこれら「急性」が付く。 |
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